オリーブオイルについて

エクストラバージン オリーブオイルとは?ピュアとの違いから選び方とおすすめの保存方法までをご紹介!

エクストラバージン オリーブオイルとは?ピュアとの違いから選び方とおすすめの保存方法までをご紹介!

ピュアとの違いから選び方、保存方法までをご紹介!毎日の料理にひとさじ加えるだけで、風味も気分もぐっと豊かになるエクストラバージンオリーブオイル(EVOO)。けれど、「ピュアオリーブオイルと何が違うの?」「選ぶときはどこを見ればいいの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。実は EVOO は、オリーブオイルの中でもほんのわずかな割合しか名乗ることができない、特別なオイル。
その理由と魅力をご紹介します。今回は、スペインの名門ブランド「Castillo de Canena(カスティージョ・デ・カネナ)」のこだわりも交えながら、EVOOの奥深い世界をお届けします。これを読めば、今日からオリーブオイルの選び方が変わるはずです。

エクストラバージンオリーブオイル(EVOO)とは?

エクストラバージンオリーブオイル(以下、EVOO)とは、オリーブの実を収穫後すぐに低温で圧搾(コールドプレス)し、化学処理を一切行わずに抽出された最高品質のオイルです。その品質は、国際オリーブ協会(IOC)の厳しい基準でもしっかりと証明されています。酸度は0.8%以下。さらに、専門のテイスターが行う「官能検査」で風味に欠点がないと認められたものだけが、「エクストラバージン」の名を名乗ることができるのです。

口に含んだ瞬間に広がるのは、フレッシュな青々しい香りと、ナッツを思わせるような深いコク。そこにピリッとした辛味とほんのり感じる苦味が重なり合い、まるでひとつの料理のような奥深い味わいが楽しめます。この豊かな風味が、シンプルなサラダやバゲットを格上げし、いつもの料理に特別感をプラスしてくれるのです。

(※1)酸度:「オレイン酸(脂肪酸)の割合」のことを指します。より正確には、油に含まれる遊離脂肪酸(脂肪酸がグリセリンと分離した状態)の量を、オレイン酸として換算した値です。この値が高いほど、オリーブの実が傷んでいたり、搾油の過程で酸化が進んでいたりすることを意味します。つまり、酸度が低いほど、フレッシュで高品質なオイルと評価されます。

(※2)官能検査:専門のテイスターが香りや味を直接感じ取り、オイルの風味・品質・欠点の有無を評価する方法を言います。

国際的なオリーブオイルは、なんと「9種類」もある!

国際的に分類されているオリーブオイルの種類は、エクストラバージンオリーブオイルを含めて全部で9種類あります。これらは大きく分けて、「バージンオリーブオイル」「精製工程を含むオリーブオイル」の2つのカテゴリーに分類されます。

バージンオリーブオイル

まずは、「バージンオリーブオイル」についてご紹介します。
このカテゴリーに属するオイルは、収穫したオリーブの果実をそのまま機械的に圧搾(コールドプレス)して作られる、化学処理や高温処理を一切行わない自然な製法で作られています。そのため、オリーブ本来の風味や香り、栄養素がしっかりと残っているのが特徴です。「バージンオリーブオイル」は、酸度や官能検査の結果に応じて4つの等級に分かれています。中でも最も高品質なものが「エクストラバージン」で、そこから順に品質の等級が定められています。

バージンオリーブオイル酸度備考
エクストラバージン0.8%以下バージンオリーブオイルの中で最も高品質。味や香りに欠点がなく、官能評価が最高レベル。
ファインバージン2.0%以下エクストラバージンに次ぐ品質。
オーディナリーバージン3.3%以下官能評価で複数の欠点があったもの。
化粧品や石鹸などに用いられる。
ランパンテバージン3.3%以上食用には不向きのため、精製が必要。

※こちらの分類はIOC規格になります。

精製工程を含むオリーブオイル

残りの5種類は「精製工程を含むオリーブオイル」になります。

オリーブオイル酸度備考
精製オリーブオイル0.3%以下ランパンテを精製したもの。
オリーブオイル
(ピュアオリーブオイル)
1.0%以下精製オイルとバージンオイルのブレンド。
クルードオリーブポマスオイル非公開オリーブの搾りかすを溶剤などで抽出したもの。
精製オリーブポマスオイル0.3%以下クルードオリーブポマスオイルを精製したもの
オリーブポマスオイル1.0%以下精製オリーブポマスオイルとバージンオイルのブレンド。

※こちらの分類はIOC規格になります。
※日本ではピュアオリーブオイルを「オリーブオイル」と呼ぶことが多いです。

エクストラバージンオリーブオイルとオリーブオイル(ピュアオリーブオイル)との違いとは?

オリーブオイルは9種類もあり、特に日本で混同されやすいのが「エクストラバージンオリーブオイル」と「ピュアオリーブオイル(一般に“オリーブオイル”と表記されることも多い)」です。どちらもオリーブの実から作られた植物油でありながら、製造工程・風味・栄養価には大きな違いがあります。ここでは、具体的な違いを解説いたします。

製造工程の違い

エクストラバージンオリーブオイルは、オリーブの果実を収穫後すぐに低温で圧搾(コールドプレス)し、化学処理を一切加えずに抽出された、最も自然で高品質なオイルです。洗浄・粉砕・練り込み・分離・ろ過という、極めてシンプルな工程で作られ、オリーブ本来の香りや栄養がそのまま残されています。

基本的な工程

工程内容
収穫熟したオリーブの実を収穫(手摘みまたは機械) 
洗浄・選別異物や傷んだ実を取り除き、水洗いで清潔に
粉砕果肉と種を砕いてペースト状にする
練り込みペーストを低温でゆっくり混ぜ、油を集める
※ 「コールドプレス」は27℃以下を厳守
分離遠心分離などで油・水分・果肉を分ける   ※遠心分離法が主流、旧来は圧搾法
ろ過・静置不純物を取り除く(フィルターまたは自然沈殿) 

一方、ピュアオリーブオイルは、バージンオリーブオイルを精製(脱酸、脱臭、脱色など)したオイルに、少量のバージンオイルをブレンドしたものです。精製の過程では、苛性ソーダやリン酸などの化学薬品を使って酸度を下げたり、高温蒸気で香りを取り除いたりするため、オリーブの風味や栄養成分は大きく損なわれます。

風味や香りの違い

エクストラバージンオリーブオイルは、収穫後すぐに低温で圧搾するためその風味がかなり残ります。青草やトマト、ナッツを思わせるような豊かな香りや、ピリッとした辛味・ほのかな苦味など、複雑で奥深い風味が特徴です。これは、品種や産地、収穫時期によっても異なり、まるでワインのように「香りを楽しむオイル」として評価されています。

対してピュアオリーブオイルは、精製によって風味や香りの多くが失われているため、ほぼ無味無臭に近い仕上がりです。そのため、料理にオリーブの風味を加えたい場合には向かず、「素材の味を邪魔しない調理油」として使われることが多くなっています。

栄養価と効能の違い

エクストラバージンオリーブオイルには、ポリフェノール、オレイン酸、ビタミンEなどの抗酸化物質が豊富に含まれています。これらは、動脈硬化の予防、腸内環境の改善、美肌効果、老化防止といった健康効果が期待できる栄養素であり、地中海式食生活が健康に良いとされる根拠にもなっています。

一方、ピュアオリーブオイルは、上記の成分が精製の過程でほとんど失われてしまっているため、効能も限定的です。あくまで「植物油としての使いやすさ」が重視されており、栄養価を目的として選ぶオイルとしておすすめはできません。ただし、加熱に強く、揚げ物や炒め物などで使いやすい特徴があります。用途に合わせて、正しく使い分けることが、おいしさと健康を両立させるポイントです。

格別の品質を生み出す「Castillo de Canena」の製造工程

ここまでで基本的なオリーブオイルの内容について理解が深まったのではないでしょうか?ここからは私たち「Castillo de Canena(カスティージョ デ カネナ)」がどのようにして他にはない最高品質のオリーブオイルを生み出しているのか、そのこだわり抜いた製造工程をご紹介します。

収穫からのこだわり

カネナのオリーブ畑

オリーブオイルづくりは、畑での収穫からすでに品質が決まると言っても過言ではありません。多くの生産者は、オリーブが十分に熟した段階で効率的に収穫を行いますが、その際には時に落下した実を拾い集めることもあります。また、収穫後の運搬に数時間から場合によっては一日以上かかることも多く、こうした時間の経過は、果実の酸化を招き、オイルの鮮度や風味に少なからず影響を与えてしまいます。

対してCastillo de Canenaでは、一年を通して農園内の気候や土壌の状態を徹底的に観察し、その年にもっとも良質なオリーブが実る区画を厳選します。さらに、気温、降水量、風の強さなど自然のあらゆる要素を考慮しながら、果実が最高の香りと味わいを持つ「まさにその瞬間」を逃さず見極めます。収穫には専用の振動式機械と傘型のキャッチャーを用い、オリーブの実が地面に触れることなく、傷つけることもなく慎重に採取されます。

こうして細心の注意を払って収穫されたオリーブは、収穫からわずか2時間以内に搾油所へと運ばれます。この迅速なプロセスが、果実が本来持つフレッシュな香りや風味を損なうことなく次の工程に進めるための鍵となっています。時間との闘いともいえるこのスピード感が、他の生産者とは一線を画すカスティージョ・デ・カネナならではの特徴です。酸化を極力抑え、最高の状態を保ったまま搾油工程へと進むことで、果実の魅力を最大限に引き出したオリーブオイルが生まれるのです。

熱を抑えた丁寧な粉砕

搾油所に到着したオリーブは、すぐに粉砕の工程に進みます。一般的な製造では高速で粉砕されることが多く、その際に摩擦熱が発生してしまい、オイルの風味や香りが損なわれる恐れがあります。しかしCastillo de Canenaでは、温度の上昇を徹底的に抑えることができる特別な粉砕機を導入し、果実の持つ繊細な香りと風味を損なわないよう細心の注意を払っています。

このように、粉砕の段階からも品質保持を最優先する姿勢が貫かれています。熱による劣化を避けることで、オリーブの鮮度がそのまま次の工程へと引き継がれるのです。

環境にも配慮した分離工程

カネナの分離工程で使用される遠心分離機

攪拌を終えたオリーブペーストは、次にオイルと果汁・果肉を分離する工程へ進みます。多くの製造現場では分離をスムーズに進めるために水を加えることが一般的ですが、Castillo de Canenaでは水を加えることなく分離を行います。

縦型の遠心分離機を使い、オイルを効率的に抽出しながらも水の使用を最小限に抑えることで、オリーブオイル本来の味わいを守るだけでなく、環境負荷の軽減にも取り組んでいます。品質へのこだわりはもちろん、自然環境への配慮も私たちの重要な使命です。

徹底したろ過で品質保持

分離を終えたオイルは、次にろ過の工程へと進みます。一部の生産者では、風味を残すためにあえてろ過をしないケースもありますが、未ろ過のオイルは時間の経過とともに沈殿物が劣化しやすく、品質が低下してしまうリスクがあります。

Castillo de Canenaでは、すべてのオイルをセルロースフィルターでろ過し、微細な不純物を丁寧に取り除きます。この工程を経ることで、保存期間中も品質をしっかりと維持できる、クリーンでピュアなオリーブオイルが完成するのです。

窒素保存で酸化を防止

ろ過されたオイルは、ステンレス製のタンクに移されます。ここでも品質保持のためのこだわりが光ります。一般的にはタンクにそのまま保存するだけのところ、Castillo de Canenaではタンク内に窒素を充填し、酸素の侵入を防ぐ「不活性保存」を徹底しています。さらに、タンクは一定の温度で管理されており、オイルが温度変化によって劣化するのを防いでいます。こうして保存中もオリーブオイルの新鮮さと品質をしっかりと守り続けるのです。

注文ごとに瓶詰めする鮮度へのこだわり

カネナのオリーブオイルの瓶詰め作業

最後の仕上げは、瓶詰めの工程です。一般的には、多くのメーカーがまとめて瓶詰めをして在庫として保管することが多いのですが、Castillo de Canena では少し違います。私たちは、ご注文をいただいてから瓶詰めを行い、その際にも酸化を防ぐために窒素をしっかりと充填しています。こうすることで、開封するその瞬間までオリーブオイルのフレッシュさをしっかりキープ。まるで収穫したばかりのオリーブのような豊かな香りと味わいを、最高の状態でお届けできるよう、最後の一滴まで徹底的に管理しています。

エクストラバージンオリーブオイルの選び方と購入時のポイント

日本にも沢山輸入されているエクストラバージンオイル。その中でも、本物は2割と言われるほど少ないです。ここでは、信頼できるブランドや品質の見極め方をご紹介します。

信頼できるブランド・認証マークの見極め方

エクストラバージンオリーブオイルを選ぶうえで、まず注目したいのが「受賞歴のあるブランド」です。世界中には数多くのオリーブオイルブランドがありますが、中には見た目やパッケージで高級感を演出し、品質がともなっていないものもあります。そのため、客観的な評価を受けているオイルを選ぶことが、品質を見極める一番の近道になります。

この他にも、信頼できるブランドを見分けるポイントとしては、以下のような要素が挙げられます:

  • 生産者や産地が明確に記載されている
  • 日本では有機JASなどのオーガニック認証を受けているもの
  • 収穫年や搾油日が明記されている
  • 暗色の遮光ガラス瓶に入っている

ぜひ、商品を選ぶ際の参考にしてくださいね。

世界が認めるオリーブオイル「Castillo de Canena 」

Flos Olei 最高得点を獲得し、殿堂入り
Flos Olei 最高得点を獲得し、殿堂入り
Olive Japan 2024 最優秀賞受賞
Olive Japan 2024 最優秀賞受賞

Castillo de Canena は、世界のオリーブオイルコンテストで数々の受賞歴を誇ります。国際ガイド「Flos Olei」では最高得点 100/100 を獲得し、殿堂入りを果たしました。また「Olive Japan」や国際的な「Mario Solinas」賞でも最優秀賞を受賞。品質と環境への取り組みが、世界中で高く評価されています。これらの受賞は、日々のこだわりと努力の証。安心して選んでいただける理由のひとつです。

EVOOの保存方法と注意点

エクストラバージンオリーブオイルは、非常に繊細なオイルです。香りや栄養価を長く保つためには、購入後の保存方法もとても重要になります。ここでは、オイルの劣化を防ぐためのポイントを詳しく解説します。ç

劣化を防ぐ保存方法とは?

オリーブオイルには、以下のような弱点があります:

  • 空気(酸化が進む)
  • 光(紫外線により劣化)
  • 高温(香りや成分が飛びやすくなる)
  • 湿度(容器の外気との温度差で水滴が生じる)
  • 容器の素材(特にペットボトルは避けるべき)

このような性質から、保存の際は以下のようなポイントを守ることが推奨されます:

  • 直射日光の当たらない場所に置く
  • 湿気のこもらない、風通しの良い冷暗所に保管する
  • 冷蔵庫に入れない(温度が低すぎると白く固まり、風味が損なわれる)
  • ペットボトル容器は避け、遮光性のあるガラス瓶のものを選ぶ

とくにペットボトル容器は「多孔質」といって、目に見えない小さな穴から空気が入りやすい性質を持つため、酸化が早く進んでしまいます。購入時点で遮光ガラス瓶に入っているものを選びましょう。

開封後はどれくらい持つ?

一見すると「長持ちする」という印象がありますが、香り・栄養・風味を最良の状態で楽しむには、早めの使用が基本です

消費期限:未開封の状態で、製造からおおよそ2年間程度が目安です(保存状態によって変動します)。
賞味期限(開封後):開封してから3ヶ月以内に使い切るのが理想です。

まとめ

エクストラバージンオリーブオイル(EVOO)は、酸度(※1)が0.8%以下で、官能検査(※2)において風味に欠陥がないと認められたオイルだけが「エクストラバージン」と名乗ることができる大変高品質なオリーブオイルです。オリーブオイル(ピュアオリーブオイル)との違いは、製造方法だけでなく香りや健康効果にも大きく表れます。選ぶ際には、受賞歴や認証マークを確認し、購入後は直射日光を避けて保存し、開封後3ヶ月以内に使い切ることをおすすめします。

ぜひ、料理の仕上げに、エクストラバージンオリーブオイルを取り入れてみませんか?

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